なぜ、男女別学は子供を伸ばすのか? 中井俊巳 著 学研新書
小学校は日本に22000校ありますが、男子校は3つしかない。
そしてそこの1つで23年間教えていたのが著者。
男女別学は教育効果が高いということを実証している。
1章 男子と女子は違う
男女には生まれつき、生物学的な違いがある。
男子は空間認知能力が高い。
女子は言語能力が高い。
男子の見るものと、女子のみるものは違う。
男女の成熟のスピードが違う
男女は行動が違う
2章 男女別学の利点
戦前は別学だったが、アメリカ的な教育によって共学になった。
>男女別学は異性との付き合い方がうまくいかないのではないか?
という疑問がありますが、戦前生まれのかたのほうが、品位があり、社会的規範を
しっかりともって付き合っていたと思います。それは、異性に対する尊敬の念があった
ためということもある。
そもそも学校は交際の場ではなく、知性を磨き、自己を成長する場である。
男女別学のメリット
1、男女の特性に応じた教育が受けられる
2、男女の異なる成長に対応した指導が受けやすい 男子は中学生以降に急にのびる
3、異性の目を気にしないので、のびのびと学習に集中しやすい
4、女子はリーダーシップを発揮でき、男子は女子任せにしないで雑事をすることができる
5、一生付き合える友人に多く出会える
6、教師をサポートを受けやすく模範にしやすい
7、学力が向上する
P79 いじめの加害者の数が1万人を超えるのが、中学1-3年時
思春期の女子はかなり敏感で、成熟も早いのでかなり色々なことを考えている。
そして、周りから大切にされたいということを強く望む。
3章 学力面での効果が高い男女別学
進学トップ校のほとんどが男女別学校
東大合格者数トップ校の9割は男女別学校
女子は理科系が弱くないのに何故か、日本では理系にすすむ女子はきわめて少ない。
海外でも実力トップ校は別学校が多い
イギリス、韓国、ニュージーランドなどが成果が高い。
>ニュージーランドは教育水準が高い国
PISAの調査では
読解力で世界5位(日本11位)
数学的リテラシー世界11位(日本10位)
科学的リテラシー世界7位(日本5位)
さらに男女の成績の差を単純に計算すると30点という大きな開きがある。
4章 男女の特性を生かした全人的な教育
男女別学を選ぶわけ
男子校を選ぶのは、学習指導の充実、進学率の高さ、校風がよいなどの順になる。
女子高を選ぶ際に期待することは何?学力向上、情操教育しつけ、社会性の習得の順になる。
保護者は全人的な教育を別学に求めている。
男子、女子を扱うスペシャリストが先生のほうがやはり効果的
女子は清潔好き、男子は乱雑が落ち着く、
>男子校の生徒の学校に対するイメージアンケート
明るい83% 暗い3.8%
楽しい82% つまらない 5.7%
先生、先輩が優しい56.7% 厳しい 13.6%
学校の生活はおもしろいが75.2%
というアンケート結果。のびのびして、周りが目標を持ってしている環境下では
肯定的にいきれるのだろう。
男子は強い人間になれる教育ができ、女子は清く優しくなる教育ができる。
5章 欧米で増えつつある男女別学
社会問題化する男子の学力低下
アメリカでの「落ちこぼれの子をつくらないための初等中等教育法」が2002年に成立
1994年時で男女別学クラスの公立校はわずか4校でしたが、現在では540校以上で、
現在でもその数は増え続けている。
6章 男女別学の教育のヒント
話を聞かない男子にも教える。
1、話は目で聞く、目線を合わせる。
2、「一時に一事の原則」で短く、簡潔に
3、どうしても伝えたいことは復唱させる
4、興味のある話題を選ぶ
5、できるだけ表情豊かに話す
6、物をつかう
7、絵や図を有効に使う
男子は瞬発力、女子は継続力
最後に
>北島康介さんのことば
「目標」は「夢」にちかずくための階段だと思う。
二つの違いは、いまの自分でできないけれどいつかはそうなりたいと思うのもが「夢」、
今の自分で頑張ればできそうなものが「目標」と言えばいいのかな。
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