第4章 社会的証明
>社会的証明の原理によると、人がある状況で何を信じるべきか、どのように振舞うべきなのかを決めるために使う重要な手段の1つは
、他の人々がそこでなにを信じているか、どのようなに行動しているのかを見ることである。他人を模倣することの強力な効果は、子供でも大人でもみられ、また、
購買における意思決定は、寄付行為、恐怖心の低減など、多様な行動領域で認められる。社会的証明の原理を、他の多くの人々(多ければ多いほどよい)
が要請に応じた。あるいはおうじていると告げるという形で使うことによって、ある人がその要請に応じるように促すことができる。
例)
196 引きこもりの幼稚園児に「みんなと遊ぶことが楽しいビデオ」を1度見せると、見せないかでは大きくその後が違う。
208 正しいと思う人が多ければ、正しくなる。
226 町中に財布を落とし、警察に届けるかを見極める実験。類似性があると70%、無いと30%の数値。
>社会的証明の2つの状況において最も強い影響力を持つ。1つは不確かさである。人は、自分が確信を持てないとき、あるいは状況が
曖昧なとき、他の人々の行動に注意を向け、それを正しいものとして受け入れようとする。たとえば、状況が明確な緊急時よりも
曖昧な状況におけるほうが、援助するか否かについて行う傍観者の決定は他の傍観者の行動に大きく影響される。社会的証明が強い力を発揮する第2の条件は
類似性である。すなわち、人は自分と似た他者のリードに従う傾向が強い。類似した他者の行動が人々の行動に強い影響力を持つことを示す証拠は、
社会学者デービット、フィリップスが収集した自殺統計のなかに容易に見て取ることができる。こうした統計は、広く公表された自殺記事の後で、その自殺者と類似した悩みを
抱えている人が自殺することが示している。ガイアナ、ジョーンズタウンからの集団自殺の分析からは、集団のリーダーであったジム、ジョーンズが大部分のジョーンズタウンの人々から
動物の群れのような自殺反応を引き出すために、不確かさと類似性の両方の要因を使ったことが示唆されている。
例)
・230 自殺がメディアで公表されると、その後1週間で飛行機、車の事故が起きる確率が高くなる数値がある。
これは、社会的ストレスが要因にあり、類似した人が起こす。
「ウエルテル効果」
30年間の自殺発表後の模倣自殺だと思われる、自殺を調べた。
58人の人がそれと認める。
また、事故に見せて死ぬ人がいるので実際にはその数字以上。
それを示す、数値として、
自殺の公表があった1週間前と1週間後の同じような事故(飛行機や車)の死亡率の違いを検証
1週間後が3倍の死亡率。それは、意図的に行った証拠だと彼は説明する。
・また、若い人の自殺が発表されると、若い人の自殺がしばらくは続くという類似性も発見。
・類似犯罪も周知の事実で、ある犯罪が発表されると、類似した犯罪を犯す模倣犯が現れる。
>誤った社会的証明に影響されないために必要なのは、類似した他者が行っている明らかな偽りの証拠に対して敏感であること、類似した他者の行動だけを私たちの
決定の基礎にしてはならない。
例)
・人間に「群れの心理」を使うことは非常に簡単。
1820年に「オペラサクラ業」が起業。拍手屋、泣き屋、アンコール屋という家業が100年以上続く。
驚くことにこれは、公然とされて、それをする料金や、毎年同じ人、同じ場所でということをしていた。
・シンガポールの銀行の話、バスのストライキで銀行の前に人だかりができ、それを勘違いした預金者がこぞって「預金引き出し」行動にでる。
・飛行機の自動操縦の人間の入力ミスによる、ソビエトの大韓航空機への攻撃。
・3歳の子供のプールの話。家族で教えても怖がっていたのに、3歳の友達が怖がっていないのを見ると、急に「自信」がついて怖がらなくなる。
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