22/2/2011 クライストチャーチの地震から考えられること
「また、地震があった」ということをお昼ごろに聞いて、「そうなんだ、今回も被害者はいないのかな?」
という簡単な気持ちで考えていましたが、すぐにそれがそれほど、簡単な問題ではないことに思い知らされました。
すでに、当日の夕方で死者が65人を超え、日本人20人以上を含む行方不明者が200人以上。
という惨事にまで至り、TVでも多くの崩壊した画像がたくさん流れていましたが、
実際は何もできない自分がいて憂鬱な気分でした。
そんな夜に日本TV局のTVアサヒ「スーパーモーニング」の立花氏より電話があり、
ニュージーランドの建築のことを少しでも日本の皆様に伝えたいということで取材を受けました。
「少しでもお役に立てるチャンスと思い快く承諾しました。」
内容は主に日本側とニュージーランドの建築についての相違点などを聞かれました。
ニュージーランドの在住方にも、今後の住宅購入、既存の家の補強等などに
お役に立つと思いますので、5年間のニュージーランドの建築にたいする
自分の意見をご案内したいと思います。
前回、今回の地震を通してどのような建物が崩壊をしたのか?>>
前回、今回ともに建築協会(Certified Builder Association)からのレポートにも
ありましたが、レンガで造られた建物が基本的に崩壊。築年数も100年を超える建物も
含まれています。前回は朝方に起きたために被害者はすくなっかたですが、今回は
最も人が多くなる、お昼でのことなので被害がさらに拡大。
ニュージーランド建築の地震に対する考えについて>>
これは、ニュージーランド人の気質にもよりますが、
「細かいことはまったく気にしない、時間が遅れたり、品質が多少悪かったりしても
NO PROBLEM,NO WORRIES」
で済まされます。日本人には理解できないことがたくさんあります。
地震に関しても
「地震たまにしか起こらないものにどうしてお金と時間かけるの?」
「無駄じゃない?」という考えはあると思います。
そのなかで建てられた、50年以上前の建物はもちろん、
「耐震性を考えられているとは思いません」
これは、ずっと大きな地震が無かった国という国民の認識からしょうがない結論だと
言わざる終えません。
日本の歴史は地震とともに生きてきたわけで、地震はすぐ隣にあるものという
思考で毎日を生活していますが、ニュージーランドではそれは、羊か牛でしょう。
しかし、今回の地震での被害者のことなども考えると、大幅な建築基準の変更が
必要になるでしょう。
建築基準について>>
正式に建築許可(ビルディングコンセント)が厳しくなったのがわずか10数年前、
それ以前の図面は日本人の素人が見ても、「これが家の図面なの?」
という図面です。詳細はほとんど書いておらず、もちろん、基礎に関する詳細も
皆無といってもいいでしょう。自分は日本で建築の経験はありませんが、
日本での経験者に現在の図面をみせても、「これで大丈夫なのか?日本の
それとは比較できない」という意見でます。
建築基準は年々厳しくなっていますが、臨機応変にできない国ですので、
あまり意味が無いものでも、1度でも問題があると、10倍も基準が厳しくなったり
日本人の目からみると何かしないといけないものが何もされなかったりです。
その検査基準の曖昧さは車の車検でも同じだという話をされているのを聞いたことがあります。
自慢をするわけではないですが、
製品を作る技術は日本は世界でもかなり前進をしている国です。
その日本人の目からみて、ニュージーランドにおいての建築検査、
車の検査などの無駄を省いてもっと効率的かつ安全な検査方法を
提案させていただければもっとニュージーランドも良い国になると思います。
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ニュージーランド 日本人 建築会社 ジャパンホームズ 代表 岡部 雅彦
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