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赤い指

「赤い指」を読んで 東野圭吾 著 講談社

九州大好きの友人(宮崎出身)に薦められて読みました。

日本から帰りの飛行機の中で読んだのですが、最初から感じていましたが、

最後のほうは容疑者Xよりは、涙量は少なかったですが、泣いてしまいました。

となりに座っていた若者はなんと感じたんだろうと思うのと、恥ずかしいというのがありましたが、

とにかく、泣きながら読みました。

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登場人物は

引きこもりで王様きどりの息子、

損得でしか物事を考えられない妻

息子や妻になにもいえない夫 (=昭夫)

夫の母である政恵(痴呆症)と4人暮らしで物語、

刑事役は 加賀恭一郎

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ストーリー的には引きこもりの息子が小学生を自宅で殺害。母親である妻は息子をかばうことしか考えていない。

そして、昭夫も最終的には妻の意見に同意して、遺体の遺棄をして隠蔽をし始める。

もし、この家族が疑われたら痴呆症の母を容疑者としてたてることで家族3人の意思は固まる。

最終的に警察の捜査に絶えられなくなり、自分たちから「話したいことがある」と警察へ通報。

「母親がすべてしたこと」と夫が伝える。

それらのいきさつを見て、刑事が

「この家には何かがある」と、その真実を出すためには警察の取調室では駄目ということでいろいろと試す。

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昭夫に(改心)気づいてもらおうとあえて

・昭夫の目の前で母に手錠をかけさせようとしたり、

・留置所に入るときに、1つだけ宝物を持ってきていいと言わせて、持ってきたのが、

「昭夫のアルバム」。

痴呆症になりながらも大切にしていたということで心にぐっと来るものがある。

・それでも、自供しないので、最後に歩くのに大変なので「杖」を下駄箱から出す。

杖には昭夫が小学生のころに作ったものがつけられており、

それをまだ、大切に使用していた。それを見て、昭夫は崩れ去ってしまい、涙が止まらなくなってしまった。

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何の罪もない年老いた母に手錠をかけさせ、最後に自分たちがした冤罪で刑務所へ送られる。

そこには、母が今でも自分を大切にしているという証であるものがたくさんあった。

その光景を見て、何とも思わないのであれば人間が終了してしまっているのであろう。

問題を作った引きこもりの息子だが、最後まで

「悪いのはすべて他人のせい、現実理解なし、親がなんでもしてくる」

というように考えている。

基本的にはこういう自分にしたのは、社会であり、親であり、責任は彼らで持つべきだと

いう理論がある。現代社会の病巣を浮き彫りにしている作品だと思う。

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